【青木想 連載 Only Oneなキャリアのススメ】心理的安全性とは?最高のチームに巡り合う新時代のチーム論

株式会社LoveableCEOである青木想さんからミレニアル女性に向けて、自分らしいキャリアの築き方をお伝えする連載企画「Only Oneなキャリアのススメ」。今回は、SHEチームから熱望されたテーマ「心理的安全性の高いチーム」について、お伺いしました!

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目次

⒈ 心理的安全性とはなにか?
⒉ なぜ心理的安全性が注目されるのか?
⒊ チームは何のために存在するのか?
⒋ 心理的安全性を確保する上で大切な3つのポイント
■ブレストの時間こそ最大のチャンス
■アイスブレイクはチームメイトのコンディションバロメーター
■チームの共通の目的は何でもよい
⒌ リーダーは評価者ではない
⒍ 明文化されない役割を生み出す


最近、組織マネジメントや人材開発の領域で「心理的安全性」という言葉を耳にする機会が増えています。

心理的安全性とは何なのでしょうか?
今回は、新しい時代のチームで成果を出すために重要な心理的安全性についてお話できればと思います。

⒈ 心理的安全性とはなにか?

心理的安全性とは、他者の反応に怯えたり羞恥心を感じることなく、自然体の自分を曝け出すことのできる環境や雰囲気のことを指します。

アメリカのGoogle Inc.(以下、グーグル社)が2012年から約4年もの年月をかけて実施した大規模労働改革プロジェクト、プロジェクトアリストテレス(Project Aristotle)や、その他の人事関連研究の成果報告として『心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである』と発表したことにより、大きな注目を集めました。

⒉ なぜ心理的安全性が注目されるのか?

今、心理的安全性が着目される背景として、働き方改革が大きく影響していると思っています。
例えば、個人で仕事をするフリーランスの方は、能力があれば組織に属さなくとも、自分の価値を発揮できる場所で、どんどん仕事ができるようになっています。また、組織に属していても、リモートワークの増加により、必ずしも誰かといつも一緒に仕事をすることが前提ではなくなりました。

一方、副業・兼業などオフィス以外での仕事の場では、全くバックグラウンドが異なる者同士が、プロジェクト型で仕事を進める形も増えています。

このように、仕事における組織やチームの在り方が変容する中で、チームで働く意義が再定義されている、という背景が、心理的安全性が人々の関心となっている一番の理由なのではないでしょうか。

⒊ チームは何のために存在するのか?

では、そもそもチームとは何のために存在するのでしょうか?

ビジネスの場では、1人ではできないことにチームで取り組むことでアウトプットを最大化させたり、もしくは1人で行うよりも効率性を上げるために存在するはずですよね。

普通に考えれば、意思決定に関わる人が増えれば、それだけ決断のスピードは落ちます。
逆に言えば、コミュニケーションが煩雑になる手間を増やしてでも、チームで仕事をした方が生産性やアウトプットの質が高められなければ、本質的にはチームを組む意味はありません。

また、心理的安全性の話以前に、チーム=個人の責任が分散される仕組み、と考えていると、そもそもチームとして機能しません。個では出せない結果を出すためにチームとして共にしているのであり、責任を分散させ、楽をするためにチームを組んでいるわけではありません。

ですから一人一人が「ビジネスパーソンとして自立し、自分の能力を最大限発揮することは大前提」という意識を持つことはとても大事です。つまり、心理的安全性によって構築される成功するチームとは、個人の能力が最大限に発揮された結果、チームでのアウトプットや生産性が最大化されている状態です。

 

その上で、心理的安全性は、個人がチームでも能力を最大限に発揮するための「環境づくり」だと考えています。
もしチームの環境が、アイディアを他のメンバーに伝えられなかったり、自分がやれば一番結果が出ることを遠慮して実現できないなら、個人の能力は当然生かされません。ですから、心理的安全性は成功するチームにおいて非常に重要なのです。

⒋ 心理的安全性を確保する上で大切な3つのポイント

■ブレストの時間こそ最大のチャンス

ではどうすれば心理的安全性が確保できるのでしょうか?

まずは、チームメンバーがそれぞれ何が得意で、どんな視点や経験を持っているのか、を知ることは最も大事な作業です。

チームメンバーについて知る番の近道は、事業の課題やサービスの改善案についてのテーマを決め、アイディアベースで2時間程度のブレストをすること。できればそうしたブレストの場を定期的に設けて繰り返すのです。

 

決められた1つのテーマの中で、それぞれが出すアイディアにはその人の考え方、発想、着眼点、全てが映し出されます。論理的なのか、感覚的なのか、数値にこだわるのか、デザインを大切にするのか、意見をはっきり言うタイプなのか、それとも周りも見ながら発言するタイプなのか。

要するに「ビジネスにおける思考の違い」を知ることができます。

また、ブレストが非常に有効なもう1つの理由として、ブレストの場では正しい、間違っている、という判断や、優劣も関係ないことが挙げられます。

ブレストはあくまでアイディアベースで話し合う場です。肯定的に何でも受け入れられる場を設けることで、関係性の質を高め、ひいてはチームに私は受け入れられている、という安全性を見出し、自分の役割を意識できるようになります。

この、「自分の意見が否定されず受け入れられる経験」の積み重ねこそ、チームに心理的安全性をもたらす非常に重要なポイントなのです。

■アイスブレイクはチームメイトのコンディションバロメーター

関係性の質を高めるために、飲み会などのオフコミュニケーションを頻繁に開くチームもあります。もちろん、プライベートの話を共有することも大事ですが、チームとして機能する上では、仕事上の価値観を知ることの方が重要です。

これは飲み会などのオフコミュニケーションでは知ることができない部分ですよね。また、私のようなワーキングマザーがいる組織では、飲みに行くことが難しいため、いわゆる飲みにケーションでは関係性の質を高められない場合もあります。

 

ですから、もしそういったリラックスした雰囲気を作りたいのであれば、会議の前に1人1分、アイスブレイクの時間を作ることをお勧めします。

私がリクルート時代にいた最高のチームでも、毎週月曜の朝の定例は決まって週末の出来事を共有するアイスブレイクから始まりました。
不思議なことに、これを毎週やっていると、チームメイトのコンディションがよくわかるんです。「あ、これは週末家族と揉めたんだな」とか、「お、彼は週末色々と思考が整理されたんだな」というように、その週の始まりのテンションを知ることができます。

アイスブレイクで重要なのは、プライベートの浮き沈みも共有してもいいんだな、という安心感です。

よく、プライベートを仕事に持ち込むな、と言われますが、いつもオンオフを器用に切り替えられるとは限りません。ですからアイスブレイクという決められた時間の中で、お互いのコンディションをなんとなく察し合えることは、その後の会議を進める上でもとても大事なことだと思います。

少し元気がないメンバーがいても、その原因がちゃんとわかっていれば余計なことを考えたり、変に詮索する必要もありません。また、プライベートで大変なことが仮にあったとしても、その人の仕事に対するパフォーマンスが変わらなければ、メンバー同士の信頼にもつながるからです。

プライベートのこともシェアして知っているという状況を作ること。逆に言えばその程度でも十分なのです。

ただ、これをどんなときもちゃんと続けることが重要です。たかが1分ですが、習慣化させることでチームの中での当たり前を生み出し、それがやがて居心地の良さに繋がると思います。

ビジネスで関係性の質を高めることは、馴れ合いとは全く違うものです。

愚痴も言い合えるぐらい気心が知れているのはよいことではありますが、愚痴ばかり言い合い、チームの生産性を落としてしまってはなんの意味もありません。仕事上の信頼関係を築くことこそ、関係性の質を高める第一歩です。

■チームの共通の目的は何でもよい

仕事上の信頼関係を築く上で、チームの結束力を上げるために共通の目的があることはとても大事です。共通の目的があることで、チームの存在意義を定義し、チームへの帰属意識の醸成に繋がります。

共通の目的は、プロダクトを愛している、サービスをよくしたいと思っているなどでもよいと思います。
また、チームメイトみんなにとっての「共通の敵の存在」も有効です。

例えばマネージャーという存在はわかりやすい共通の敵です。私もリクルート時代には、どうやったら自分たちの改善案をマネージャーに決裁してもらえるか、そのためにみんなで数字を必死に分析し、論破されないように対策をしていました。(笑)

「共通の目的」を作るとチームの結束力も高まり、提案の質も上がり、まさに一石二鳥です。些細なことでも、みんなが一つになれることを見つけることで結束力は俄然上がります。

 

また、チームにおけるKPIを明確にしておくことも大事です。これは、チームで何か判断するときの共通認識になります。

例えば、出したアイディアを否決するときには、そもそも、どんなアイディアが組織にとって最もよいのか?という判断軸を明確にしておく必要があります。

自分たちはこの指標を上げるために存在するチームで、この提案は指標を上げることには繋がらないよね、ということが合意できていれば、個人の主観ではなく、客観的に何故自分の意見が反映されないか理解できるはずです。

⒌ リーダーは評価者ではない

心理的安全性をベースとしたチームでは、リーダーの役割も非常に重要です。

チームにおいて、リーダーは進捗管理をしたりチームの状況をマネージャーに報告したりする役割を担います。でも決してメンバーの評価者ではありません。判断はするがその人のパフォーマンスに対して評価する人ではない、という立ち位置を明確にしておくことは、チーム内に上下の関係を作らない上で非常に重要です。

 

チームで仕事をする上で判断が求められる局面は、ほとんどが課題が発生するときです。スケジュール通りに進んでないか、アウトプットの質に問題があるか、コミュニケーション上の齟齬があるか、だいたいこの3つに分類されます。

これらの業務上の課題は、業務や目標の担当の割り振りを変えるか、進め方を質問できる場をこまめに作るか、共有の仕方などのコミュニケーションフローを変えるか、いずれかで解決されます。この切り分けをすることがリーダーの役割なんです。

本来自分の直接的な評価者ではないリーダーに評価されると、メンバーとの関係性は一気に悪化します。確かにリーダーは、上司が評価できるような材料をそろえることは必要です。でもそれを元に評価するのは上司である以上、チームの中でメンバーを評価しようとすると、上下関係が生まれてしまいます。

あくまで業務上の障壁となる課題を解決する役割に徹する。それがリーダーには重要だと思います。

 

その観点では、例えば若手の育成のミッションなども、リーダーよりメンバー同士で自然に育成し合う環境が生まれたほうが、心理的安全性が高まります。リーダーは役割上、どうしても発言力が強くなってしまい、至らない部分を指摘されたメンバーが委縮することもあります。

対等な立場であるメンバー同士で互いに指摘し合い、補完し合えば、助け合いが生まれ、結果的にチームの結束力も高まるのではないでしょうか。

⒍ 明文化されない役割を生み出す

こうした、メンバー同士の助け合いのような、明文化されない自発的に生まれる役割は、実は心理的安全性の醸成に最も重要な部分だと私は思っています。

チームにおける各人の役割は、初めは明確に役割を振り分けることがもちろん大切です。チーム結成当初の段階では、役割を通してチームに貢献できている、という居場所を作ることが必要だからです。

でも、それだけでは、ただ役割を全うすることに終始してしまいます。

さらに心理的安全性を高め、チームでのパフォーマンスを最大化するには、明文化されていない役割をメンバーがどれだけ感じられるかが心理的安全性の鍵になります。

「あぁ、ここは私がちゃんとやっておかないとだめだな」、「これは自分がリーダーシップを発揮する領域だな」というように、役割として明文化されていない、だけどメンバーみんなが、当事者意識を持って自発的にチームに貢献できている状態こそ、心理的安全性の目指す最終的なゴールだと思います。

 

一人で結果を出せることも素晴らしいですが、仲間と同じ目的を達成できることもとても充実感のある瞬間です。

プライベートな繋がりでは、ライフイベントを迎えたり、趣味が変わったりすると、疎遠になってしまう人もいますが、仕事上で築き上げた信頼関係は、時間が経っても消えることがなく、離れていても続くものです。また結果的にそこで生まれた信頼関係が、本当に大変な時に相談できる関係性に変わっていきます。

仕事上で最高のチームに出会える経験は、人生を豊かにしてくれるでしょう。
このテーマを通じて、そんな素敵な経験に巡り合えるチームが、1つでも増えれば幸いです。

青木想(あおき・そう)
2007年3月 慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、同年4月に新卒で株式会社リクルート(現リクルートマーケティングパートナーズ)に入社。計数管理、事業戦略立案から法務、総務業務、サイト設計など、リクルートの企画職を全て経験。入社3年目と6年目に出産をし、キャリアの半分以上をワーキングマザーで過ごす。離婚を機に、自分のキャリアを見直し、2016年6月から外資系金融機関の営業職へ転職。初年度新人コンベンションで1387人中3位、女性営業マン1位を獲得。世界トップ1%の金融セールスマンだけが入会するMDRTに該当。天職と思える保険の仕事を通して、お金のことは全部相談できるという存在になりたいと想いと、リクルート時代の経営企画の経験を生かして、起業家支援をしたいという2つの想いから、2018年2月に株式会社Loveableを設立。
『あなたの愛すべき人生をいつまでもあなたらしく』をビジョンに、フィナンシャルアドバイザーとしてお客様の資産形成を支えながら、情熱と高い志をもつベンチャー起業を中心にの経営支援に携わる。
https://loveable.co.jp/

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