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【連載小説〜仕事がすべてだと思っていた〜】「休日は寝て体力を回復する。」

コラム

いつの間にか、「仕事の成功」が人生の目的になっていたさおり。しかし、無邪気に人生を楽しむ”勝手な先生”という人物をTwitter上で見つけ、自分の概念にはなかった人生の楽しみ方を知ることで、少し人生が変化する兆しを感じ始めていた。

https://she-inc.themedia.jp/posts/4795934

https://she-inc.themedia.jp/posts/4796226

ー今日は久々に予定のない休日。目的は体力回復。

うっすら外の光が差し込んできた頃、そっと目を開いてスマホの画面を見る。

「まだ9時か・・・。」

そう言ってもう一眠りすると、気がついたら時計は11時50分を指していた。

「よく寝た〜〜〜!」

何も予定のない休日は、だいたいいつもこんな感じ。ゆっくり朝起きて、テキトーに家にあるものでブランチを作って食べて、またゴロゴロしながら家事をやったり、漫画を読んだりしていると、あっという間に夕方になってしまう。

特に疲れがひどい時は、ベッドから一歩も動かず、ひたすら天井を見つめ続ける日もある。

自分でも結構やばいな、とは思っているけど、仕事の疲れを回復しないと月曜日からとても新しい一週間を迎えられない。

でも結局、そうやって過ごした1日は、却って疲れがどっと押し寄せたりするんだよな〜。どうやったらこのループを抜け出せるんだろう。

大学生までは、休みの度に、誰かとご飯へ行ったり、知らない土地へ旅に出たり、運動したり、アクティブに過ごしてた方なんだけど。少しずつ、会社が違う友達や、結婚した友達とは話が合わなくなって、恋愛に傷つくことが怖くなった今は、誰かと付き合うこと(=別れる可能性のあること)に踏み込めなくなった。

でもやっぱり、一人は寂しいなぁ。

誰か、一緒に夜ご飯食べてくれる人いないかな。そんな淡い期待を胸に、携帯を開いて意味もなくスクロール。

ー目的もなく開いたTwitterには、またあの人の文字が。

料理が楽しすぎる!最近は、至高の焼豚をつくることに心打ち砕かれて、今日で挑戦7回目!もはや人と話す時間が惜しいくらい、焼豚研究に没頭している。

今度は焼豚かい。なんて多趣味な人なんだろう。でも一人の時間をこんなに楽しんで過ごせる無邪気さってちょっと憧れちゃうかも。無意識に一人の時間って省エネを優先しちゃうんだよな〜。

でも久々に凝った料理をするのもいいかも。

コンビニや、ほぼ調理の必要がない料理ばかりが中心だったので、手をかける料理を想像するだけで、少し胸が高鳴った。

よっし。今日はじっくり時間をかけて、キーマカレーでも作ろうかな。

早速レシピを色々と調べていると、またTwitterが更新されていた。

遂にたどり着いてしまった・・・。これがまさに至高の焼豚だ・・・!味も最高だし、ここに至るまでの道のりも最高にエキサイティングだった。よーし、次は最高のおでんを追求しよう!!

長時間煮込んだら、硬い豚肉もトロトロになるように、硬い心ものんびり栄養を入れて、コトコト煮込んでたら、自然にトロトロになってくるもんだよね。

よくわからないけど、そのよくわからなさに心の鎧が解けていく。自分の心がトロトロになったら、それはそれで何だかすごく楽しそうな気がした。

家でひたすらのんびり過ごすいつもの休日と違って、スーパーまで15分歩いて、食材を買って、丁寧に3時間くらいかけて料理をする。

確実に体力はいつもより使っているはずなのに、なんだか心も体も軽い。

今日だけは、仕事の連絡も一切見ないで、頭の中をひたすら空っぽにする。

ーもしかしたら、人生って仕事だけじゃないんじゃないかしら。

つい目の前のやるべき事に追われてしまっていたけれど、人生は仕事以外の時間もたくさんあって、そこにも幸せが隠れているってことを、こんなに当たり前な事なのに、ずっと忘れてしまっていたことに驚く。

自分のための楽しみとか、癒される時間をもう少し増やしてみようかな。

そしてさおりは、いつもの休日以上に心も体も満たされて、また明日から始まる仕事に備えて眠りについた。

次回は、”勝手な先生”のテキトーなツイートのおかげで、さおり自身が心に蓋をしてきた、本当の好きに気付く回です。お楽しみに!

▶︎執筆・大原光保子

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