#週末布団映画館【第2回】「人との違いこそ、”わたし”」

コラム

1週間、おつかれさまでした。
ライターの野里和花(@robotenglish)です。

こちら「#週末布団映画館」は、週末、ベッドでごろごろしながらまったりと観て、憂鬱な月曜日にお布団を抜け出すちょっとの勇気をくれる映画を、がんばって一週間を乗り切ったあなたに届ける連載コラムです。

休日の予定はもうお決まりですか?
「なんにもないや」という人は、絶好のチャンス。週末にご紹介する1本を観て、パワーチャージしましょう!

さて、今回の映画、込められたメッセージも素敵ですが、ファッションやメイクが60年代で、ポップでカラフルで観ているだけでもテンションが上がる!休日をとびきりご機嫌に過ごしたいときに観るべき映画、『ヘア・スプレー』です。

人との違いを、楽しもう!自分自身を愛することを教えてくれる映画

突然ですが、「人と違う部分」を恥ずかしがって隠そうとした…そんな経験はありませんか?

集団で暮らしていると、不思議と同調圧力が働いて、「みんなが可愛いというものが”可愛い”」、「みんなが好きなものが、”わたしの”好きなもの」と、なってしまうことってありますよね。

特に、学生時代は、目立つこと・違っていることが、他者からの不信や反感を買って、酷いときにはいじめへと発展してしまう…そんな悲しい経験もありました。

「わたしはこれが可愛いと思うんだけどなあ」、「みんなには人気がないけど、わたしが好きなのはこっち…」。自分の気持ちに気づきながら、蓋をして、周りに合わせて自分の意見を変えるのは、自分自身を欺いているようで苦しくなります。

そんなとき、誰かが「違っていたって、いいじゃない!」と、叫んでくれたら…。

わたしがあのとき言えなかった、その一言を、映画『ヘア・スプレー』の主人公は、当たり前のように口にします。それは、彼女が自分自身を愛することができているから。

そんな彼女の姿に、自分自身を真っすぐ愛す勇気をもらえるはずです。

映画『ヘア・スプレー』あらすじ

(ちょっと)人より太めの女子高生・トレーシーは、おしゃれもダンスも大好きな普通の女の子。彼女が夢中になっているのが、10代向けのダンス番組。ある日、その番組が、新メンバーオーディションを行うということで、トレーシーは張り切って参戦。しかし、テレビ局の部長は、彼女の体型を嘲笑い、トレーシーは本来の良さを発揮することができませんでした。

オーディションは落選したものの、たまたま、同級生で番組のスター・リンクが、学校で踊っていたトレーシーのダンスを気に入り、番組出演を果たすことに。トレーシーは、弾けるようなダンスと、キュートなルックス、ヘアスプレーでまとめた個性的なヘアで、瞬く間に番組の人気出演者に。

テレビ局部長の娘で、番組のメインダンサーだったアンバーは、おデブなトレーシーのことも、彼女の人気も気にくわず、様々な嫌がらせをします。

また、トレーシーには、ダンスがクールな黒人の友人がたくさんいたのですが、時代は、黒人差別のまっただ中。番組で一緒に踊ることすら許されず、彼女はデモに参加。

自分の見た目が人と違うこと、友人の肌の色が人と違うこと、それらによっておこる差別に立ち向かうように、トレーシーは番組の人気ナンバーワンダンサーになることを誓い、奮闘することに……。

差別ある世界で愉快に暮らす魔法の言葉

2020年に向かって生きるわたしたちに黒人差別は、あまりピンとくるものではないかもしれません。しかし、主人公であるトレーシーたちの世界では、”ブラック・デー”が設けられ、黒人の子供たちは、月に1度しか番組で踊れず、それを視聴者は当たり前に観ているようなそんな世界なのです。

いまだって、日常に差別は、驚くほどたくさんあると思います。

わたしは、太りやすい体質で、昔からぽっちゃりしていました。自分の容姿を受け入れられるようになったのは、ここ1年くらいのことでした。だから、トレーシーに対して、周りが笑ったり、からかったりするたび、昔の傷がうずくような気がします。

ただ、そんな差別する/される場面が多く含まれた映画ながら、全く、悲壮感は漂っていません。映画『ヘア・スプレー』は、歌とダンスが大好きな女の子を中心としたミュージカル映画。

差別への抵抗も、自分自身の良さを叫ぶことも、ポジティブな言葉と力強いダンス、そして音楽にのせて歌われ、むしろ、逆境を糧にして成長するようなパワーが終始溢れています。

違いがあるのは素晴らしいことだ

トレーシーの母親も、彼女に似て大柄な体型。自分の見た目が大嫌い。もう何年も、恥ずかしくて外出さえしていません。

トレーシーが番組で人気となり、仕事のマネージャーが必要になったとき、彼女はもちろん母親にその役目を望みました。けれど、自分に自信がない母親は「わたしなんて…」と断ります。とにかく、太っている自分が、誰かの目に触れることを嫌がったのです。

そんな母親に、トレーシーは、当たり前のことじゃない、とでも言いたげに、さらにと告げました。

人と違ってるのが、いいことなの

「差」を、「別」であることを、「個性」と呼ぼう

トレーシーの言葉に後押しされ、母親はどんどん変わり、昔の活き活きとした輝きを取り戻していきます。

周りが押し付ける価値観に惑わされず、自分自身を受け入れ・愛することが、なにをするにも、第一歩を踏み出す勇気に変わるのだと教えてくれます。

人と「別」だと、おかしいのだろうかと不安になりますよね。
人と「差」があると、それを埋めなきゃと必死で取り繕ってしまいますよね。

けれど、そんなの当たり前にあるものだし、当たり前に、それを「個性」と呼んで認め合える方が、みんなにとって心地よいに決まっている。

周りと比べて凹んでいませんか?「わたしなんて…」が口癖になっていませんか?

いまここにいる自分を愛してあげたい。そんな人にこそ、この映画を観てほしいです。

自分を愛すると、世界が変わります。きっと、来週の月曜日から、また同じような日常が続いたとしても、見え方はガラリと変化するはずです。
 

文・イラスト:野里和花


1993年鹿児島生まれ。
福岡の大学で哲学(恋愛や家族、性、死など)を学んだ後、語学留学へ。上京後、フリーのライターとして活動をはじめる。ブログ運営、SNS運用、イベント企画運営、講師業、コワーキングスペースの店長などフリーランスとしての活動は多岐にわたる。2017年秋にITベンチャー企業「株式会社Ponnuf」に入社。独立支援の田舎移住型Web合宿「田舎フリーランス養成講座」運営マネージャーを務め、全国を”旅する会社員”としてまわり、同講座を各地で開催している。
副業家(パラレルワーカー)でもあり、ライター/ブロガーとして、アフィリエイトサイトのライティングやオウンドメディアの編集、PR記事の執筆を行っている。
好きなことは映画観賞、ファッション、旅行、さんぽ、カフェ巡り、読書。将来の夢は夫婦で起業して田舎でスペース運営を行うこと。
Twitter:@robotenglish / ブログ:https://www.moguogu.com/

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