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#週末布団映画館 【第1回】「やり直さなくても、今日は最高の1日」

コラム

1週間、おつかれさまでした。
ライターの野里和花(@robotenglish)です。

こちら「#週末布団映画館」は、週末、ベッドでごろごろしながらまったりと観て、憂鬱な月曜日にお布団を抜け出すちょっとの勇気をくれる映画を、がんばって一週間を乗り切ったあなたに届ける連載コラムです。

休日の予定はもうお決まりですか?
「なんにもないや」という人は、絶好のチャンス。週末にご紹介する1本を観て、パワーチャージしましょう!

さて、1週目の今回は、いままで数えきれないほど映画を観てきたわたしが、「一番好きな映画は?」と聞かれたときに決まって答える、どんなSF映画よりも身近な、愛と家族の物語です。

■今日の素晴らしさを教えてくれる映画『アバウト・タイム』

多いときで年間200本以上の映画を観ていたほどの映画好きのわたし。お気に入りの映画は星の数ほどありますが、絶対不動のナンバー1に輝きつづけるのが、『アバウト・タイム』です。

実はこれは、大学生の頃、当時お付き合いしていた恋人と観に行った映画。
エンドロールで、あまりに胸がいっぱいになって、怖くて左を向けずに、じっと画面を食い入るように見つめていた記憶があります。すごくすごく幸せな気持ちで、もし彼が同じように、すごくすごく幸せではなかったとしたら、一緒にいれないな、と感じたのです。彼がわたしのほうに時折寄せる視線には気づきながら、すこしの受け取り方の差異も見つけたくなくて、場内が明るくなるまで、ただ前を向き続けました。

あの頃は、大事な人と共鳴し続けることが、なによりの愛情の証だと信じて疑わなかったのでしょうね。

さて、そんな、すこしの青臭さとともに大事にし続けた映画を、ご紹介します。

■映画『アバウト・タイム』あらすじ

主人公・ティムは冴えない男。
女の子と付き合いたい!という悶々とした気持ちを抱えながら、勇気がでないまま、「なんだかいい雰囲気」の女の子とキスさえできずにいました。

新しい年を迎えた朝、昨晩の年越しパーティで失態を思い出して、気分は最悪。そんなとき、父親の自室に呼ばれます。行ってみると、なんだかいつもと様子が違い、かしこまっている父親。彼が口を開きました。

「うちの家系の男は、代々、タイムトラベルの能力が受け継がれている」

最初は鼻で笑ったティム。しかし、冗談のつもりで父親の言うとおりに、暗闇へ行って、目をつぶり、強く念じるとーーーーなんと、昨晩、すでに過ぎ去ったはずの年越しパーティにそっくりそのまま、タイムトラベルしていたのです。

興奮気味にまたタイムトラベルし、父のもとへ帰ったティム。父は聞きます。

「お前はなんのためにこの力をつかう?」

ティムはすこし考え、言いました。「彼女を作るよ」

こうして、ティムの非凡な能力と、平凡であたたかな日常がスタートします。

■非凡なスキルと平凡な物語

タイムトラベルを愛のために使う!と宣言したティム。

わたしが『アバウト・タイム』を好きな理由のひとつは、タイムトラベルというSF要素を使いながら、描かれる物語はどこまでも平凡であること。よくあるSF映画の、ファンタスティックな恋の駆け引きや、壮大な歴史を絡めた時間演出はありません。あるのは精一杯背伸びした不器用なロマンチックさと、非凡な能力なのにやっぱりへなちょこなティムの愛らしさ。

SFなのに、どこまでもわたしたちの日常のよう。だからこそ、この物語はこころにすっと入り込んできます。

■今日をスペシャルに変えてくれる言葉

そして『アバウト・タイム』は家族の物語でもあります。

読書家で親友のような存在の父。
愛情深くおちゃめな母。
ちょっと変わっているけど情に厚い叔父。
危なっかしくて目が離せない、いつまでも世界で一番かわいい妹。

タイムトラベルができる能力を授かるという不思議な家系の魅力的な家族。
特に父親の言葉は、どこまでも息子想いで、愛情の底なしの深さを感じます。

ティムと同じくタイムトラベルの能力がある父親にはーー彼は、読書のためにその力を使っていました--時間を何度も何度も巻き戻しながら人生を歩んできたからこその、時間に対する想いがあり、彼の言葉には、わたしたちが日々をどのように過ごすべきかのヒントが詰まっています。

ティムは、なにかあればタイムトラベラーの先輩である父親に教えを乞います。そして、彼自身も、人生をよりよくするヒントを見つけていくのです。

そんな中で彼は、タイムトラベルがなくてもいいほど充実した生活を送ることができるようになっていきます。

この映画の中でわたしが特に好きな言葉は、ティムのこの一言。

「この日を楽しむために自分は未来からきて、最後だと思って今日を生きる。」

■やり直さなくたって、今日は最高の1日だ

わたしたちに、タイムトラベルの力はありません(もしある方がいたら、ぜひご一報ください)。

けれど、今日この日が特別であるからこそ、わざわざ未来から帰ってきたと思えば?
そんな特別な1日を過ごせるのは、最後だと知っていたら?

悲しくなっている暇も、いらいらしている隙間もないですよね。

どんなにちいさな楽しみだって拾い上げて、特別な1日を最高の気分で送るはずです。

タイムトラベルしていても、していなくても、同じ1日。違うのは気持ちの持ちようだけ。

「今日はいいことなかったな」「疲れた」ついつい、そう思ってしまいますが、この人生に同じ1日はありません。どの日だって特別なものなのですから、「今日は失敗してたくさん学んだ日だった」「こんなに疲れるくらいたくさん頑張って、充実していたなあ」そう思って眠りにつきたい。

当たり前で、ついつい、日々の忙しさを言い訳にして見逃してしまいそうなちいさな幸せに気付くきっかけをくれる映画。それが『アバウト・タイム』です。

■特別な日が始まると思って、明日からまた、ちょっぴり頑張ろう

ティムの言葉を胸に忍ばせておけば、憂鬱な月曜日の朝でも、「今日はちいさな幸せを、いくつ見つけられるだろうか」と、早くお布団から抜け出して1日を始めてしまいたくなるはず。

幸せで胸がいっぱいになること間違いなしの『アバウト・タイム』。
ぜひ、一緒にこの気持ちを噛みしめたい!と思う人と一緒に観てくださいね。

わたしもまた、「この人なら違う感想を抱いたってそれを聞かせてほしい」と思えるような相手と出会えたら、ティムやチャーミングなその恋人、そして陽気な家族たちに会いに行きたいなと思います。

■映画『アバウト・タイム』詳細情報

監督/リチャード・カーティス

出演/ ドーナル・グリーソン
レイチェル・マクアダムス
ビル・ナイ
トム・ホランダー
マーゴット・ロビー

公開/2013年

上映時間/124分

野里和花(のざと・のどか)
1993年鹿児島生まれ。
福岡の大学で哲学(恋愛や家族、性、死など)を学んだ後、語学留学へ。上京後、フリーのライターとして活動をはじめる。ブログ運営、SNS運用、イベント企画運営、講師業、コワーキングスペースの店長などフリーランスとしての活動は多岐にわたる。2017年秋にITベンチャー企業「株式会社Ponnuf」に入社。独立支援の田舎移住型Web合宿「田舎フリーランス養成講座」運営マネージャーを務め、全国を”旅する会社員”としてまわり、同講座を各地で開催している。
副業家(パラレルワーカー)でもあり、ライター/ブロガーとして、アフィリエイトサイトのライティングやオウンドメディアの編集、PR記事の執筆を行っている。
好きなことは映画観賞、ファッション、旅行、さんぽ、カフェ巡り、読書。将来の夢は夫婦で起業して田舎でスペース運営を行うこと。
Twitter:@robotenglish / ブログ:https://www.moguogu.com/

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