【私を救ったコトバたちvol.4】「あなたは大丈夫。人生はめちゃくちゃ魅力的だ。」

こんにちは。SHE編集部のめくばせです。

編集長からはじまった、【私を救ったコトバたち】の連載。4回目のバトンを受け取りました。

小さい頃からことばに救われてきたわたし。とくに音楽や本は、対話媒体として機能してくれました。わたしと歌手、わたしと著者、わたしと昔のわたし。音楽や本を通して、たくさんのことばを交わしました。

彼らが多くの人に出会い、様々な経験を通して生まれた言葉、切なる願いや祈りがかたちとなって、わたしに伝わり、闇から救い出してくれる。これほどまでに美しいことがあるでしょうか。

今回は、今もなおわたしを救い出してくれる3つのことばをご紹介します。


1.「きっともうこれ以上 傷つくことなど ありはしないとわかっている」

-米津玄師『Lemon』より

今年の1月から放送されたテレビドラマ『アンナチュラル』の主題歌、『Lemon』。絶妙なタイミングで流れだすこの曲は、大ヒットを記録しました。

この曲を耳にするとき、夢ならばどれほどよかっただろう、と深くためいきをつきながらも、古びた思い出のうえに薄く積もった埃を払い、わたしは自分に誓うのです。「きっともうこれ以上 傷つくことなど ありはしないとわかっている」と。

昔のわたしは、とあることをきっかけに中学2年生で死んでしまいました。これは比喩などではありません。間違いなく昔のわたしは帰らぬ人となりましたし、別の人間に生まれ変わる必要があったのです。

『Lemon』は、死んでしまった中学生のわたしへ捧げる祈りの歌、ラブレターのようなもの。

暗闇でうずくまる彼女の輪郭をなぞるたび、今のわたしとは違う顔で泣き崩れるたび、この曲を聴きながら祈ります。あなたがどうか、もう泣かずにいられますように。わたしがあなたを照らしてみせるから。

途方もない悲しみを背負っていても、身体を真っ二つに引き裂かれるような痛みを感じても、わたしたちは今日を生きていかなければなりません。そんな厳しい現実を前にしたとき、「あの時以上に傷つくことなんてない」、そう思うだけで前へ進めるのです。


あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに


傷ついた過去も、やり場のなかった憎しみも、今となってはこの世界も、あなた(過去のわたし)とともに愛しています。


今でもあなたはわたしの光


あなたのおかげで、昔よりすこし優しくなれました。あなたのおかげで、強く生きていこうと思えます。過去のわたしは今のわたしの光であり、切り分けた果実の片方なのです。これから先も、ずっと。


2.一人の人をほんとうに愛するとは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛すること

-エーリッヒ・フロム『愛するということ』より

高校2年生のころ、‘‘愛’’とは何なのかを考えるために手に取った、フロムの『愛するということ』。多感な時期にミルトン・メイヤロフの『ケアの本質』と平行して読んだからか、今のわたしの大部分を形作っています。

近年、「愛される女になるには」など‘‘愛される’’ことに焦点をあてた本やコンテンツが多く、愛することは簡単だが愛されるのは難しい、自分が愛するに値する対象がいない、というような言葉を目にする機会もあります。

しかし、ほんとうにそうでしょうか。

フロムによれば、愛とは技術。愛する対象がいないのではなく、愛する技術がない、ということ。

愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけること。こちらは、わたしが当時並行して読んでいた『ケアの本質』にも書かれています。

愛とは、一つの「対象」にたいしてではなく、世界全体にたいして人がどう関わるかを決定する態度、性格の方向性のこと。一人の人をほんとうに愛するとは、すべての人を、世界を、自分を愛するということなのです。

そして、愛する技術を獲得するには知識と努力、つまり習練が必要。『愛するということ』は、愛する技術を獲得するためのアプローチの仕方を教えてくれるでしょう。

生涯を通じて何度も読み返したい、と強く思わせてくれる1冊。愛する技術を獲得したい方は、『ケアの本質』と同時に読むと理解が深まるはずです。


3.「あなたは大丈夫。人生はめちゃくちゃ魅力的だ。」

最後にご紹介することばは、わたしが「もう歩けない」と悲しみに暮れた時、

年上の友人からいただいたもの。

とくに心に残っているものでタイトルをつけましたが、全文はこちらです。


あなたは十分さまざまな美しさを発見する力がある。
自分に環境を変える力がある、と信じてください。
あなたは大丈夫だ。

それから、あなたが学ぶこと、発信することに正解も間違いもない。

人生はめちゃくちゃ魅力的だし、あとどんだけ遠回りしたって平気だ。ぐちゃぐちゃでダメダメになっても大丈夫だし、世間体は気にしたって仕方ない。そいつらは飯も食わせてくれないし、最期を看取ってくれる訳でもない。だから無視するくらい強くなって。

僕はあなたの味方だけれど、それ以上に、あなたはあなたの1番の味方でいて。


たしか高校1年生か2年生のころにメールが送られてきたのですが、それ以来、わたしの心を支える柱となっています。

当時、「人生はめちゃくちゃ魅力的だ」と言ってくれる大人は周囲におらず、「子どもに‘‘人生はめちゃくちゃ魅力的だ’’と言える大人になろう」と胸に誓いました。

過去のわたしが死んで6年経った今。まだまだ道の途中だけれど、彼女の面と向かって「人生はめちゃくちゃ魅力的だよ」と言えるような気がします。

わたしたちは大丈夫。人生はめちゃくちゃ魅力的ですし、どんだけ遠回りしても平気です。ぐちゃぐちゃになってもいい。

わたしはあなたの味方です。だけれどそれ以上に、あなたは、あなたの1番の味方でいてください。

SHE shares編集部 めくばせ

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